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New York Nets vol6-a

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N72~73シーズン


ひばち


判決が出ました。リック・バリーは72~73シーズンをプレイしたいのであれば、NBAのウォリアーズに戻らなければならなくなり、NBA復帰を決意しました。


ほんとはネッツと再契約を結んでニューヨークでプレイしたかったみたいなんですが、そのためには72~73シーズンを全休しなければなりませんでした。バリーは最初にNBAからABAに来るときも似たような裁判沙汰を経験しており、そのせいで67~68シーズンを全休。「ニューヨークにいたい」という思いより、「また1シーズン全休したくない」という思いの方が勝ったようです。


これは言うまでもなくネッツにとって大打撃。見返りなくエースを突然失ったんですからね~どうしましょ。


【ニューカマー】


昨シーズン途中に契約したジム・チョーンズは無事にネッツ入り。また、プリンストン大出身のブライアン・テイラーというルーキーを獲得し、ドラフト指名権&金銭を放出してジョージ・カーターも獲得しました。


チョーンズは6フィート11インチ・220ポンドのC/Fで、テイラーは6フィート2インチ・185ポンドのPG。チョーンズは今で言うアーリー・エントリーなんで、NBAのドラフトに引っ掛かるのは来年、テイラーはドラフト2巡目でソニックスから指名されていましたが、ネッツに来てくれました。ともにオール・アメリカンです。


カーターはキャリア4年のスウィングマンで、バリーはキャピタルズ時代のチームメイト。チームメイト時代はバリーとの関係があまり良くなかったようで、フロントはカーターを解雇しようとしたこともあったらしいですが、先にバリーが移籍。バリーなき後のチーム(スクワイアーズ)で得点源として活躍し、この度またしてもバリーの抜けたポジションに招聘されました。

スクワイアーズ時代はチャーリー・スコットに次ぐ2番手だったとはいえ、オールスターに出場。あちこちのチームを渡り歩くジャーニー万なんですが、生まれは地元ニューヨーク(バッファローだけど)なもんで、頑張って欲しいです。


あと、アーサー・ベッカーボブ・ラッキーも獲得しました。

ベッカーはABA創設シーズンからABA一筋でプレイするFで、これまでに3チームを渡り歩いて2度オールスターに選ばれました。昨シーズンはロケッツ(現ナゲッツ)でオールスターに選ばれています。

ラッキーはマーケット大出身のルーキーSG(6フィート5インチ・200ポンド)。チョーンズは大学時代のチームメイトで、そのスムーズな動きから「ブラック・スワン」とも呼ばれていました。NBAのドラフトではホークスから5巡目で指名された程度で、ABAのキャリアは短いんですが・・・


↓ラッキーマンのラッキーとはスペル違い
ひばち


【ディスパーサル・ドラフト&エクスパンション・ドラフト】


ABAはこのオフ、フロリディアンズとコンドルスが消滅し、新たにサンディエゴ・コンキステイダーズが誕生しました。


ディスパーサル・ドラフトは消滅したチームの選手を、残ったチームが順にしていくドラフト。ネッツはここでは戦力になる選手を得ることができませんでした。

エクスパンション・ドラフトではオリー・テイラージーン・ムーアがチームを去っています。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


エースを失ったネッツは、序盤は善戦。連敗した分は連勝で取り戻す粘りの戦いで、開幕20試合を10勝10敗と5割で乗り切りました。


しかし、良かったのは案の定?ここまで。中盤以降は負けが込み、創設2年目以来最低となる30勝54敗でシーズンを終えました。

得点力はリーグ最下位まで落ち(FG成功率は高いんだけどね)、元々少なかったリバウンドはリーグ最下位までダウン。ネッツ在籍時のバリーは得点だけでなく、リバウンドやアシストでも活躍していたため、トータルでダメージが大きかったかな~と思います。


救いがあるとすれば、これだけ負け越してもプレイオフには出られるということ(!)同じイースタン・ディビジョンのフロリディアンズが消滅したため(コンキステイダーズはウェスタンに加入)、イースタン・ディビジョンは5チーム中4チームがプレイオフに出られるお得な状態になっていました。完全にラッキーですw


【テイラー獲って良かったね♪】


ルーキーのテイラーは21試合を欠場したけど、平均15.3点・FG成功率51.5%をマーク。(このシーズンはまだ記録されてなかったんだけど)スティールの名手で、なんとルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しちゃいました☆

この年はルーキーが不作で(NBAも不作だったんです)、マイク・ミラー的受賞な感は否めませんが、まぁ受賞したことに変わりはなしってことで♪


ビル・メルチオーニは23試合を欠場。故障のためか、はたまたテイラー加入の影響か、プレイングタイムは昨シーズンから平均10分以上もダウン。平均12.3点・7.4アシストとしぼんじゃいました(アシストは出場試合数or総アシスト数が規定数に足りなかったようで、ランキングには反映されず、アシスト王にはなれませんでした)。

オールスターには選ばれるんですが、来シーズンには強力なGがネッツに新加入することもあり、メルチオーニが目立つ時代はこのシーズンで終わりです。


シーズン終盤にはジョージ・ブルンズというPGを獲得。メルチオーニ&テイラーがそれなりに欠場したから代役だったんですかね~13試合の出場ながら平均18.2分で平均6.6点・2.8アシストをあげました。

ブルンズは選手としてはこのシーズンしかプレイしないんですが、当時から高校でコーチしていたそうで、今現在もニューヨーク辺りの高校で指揮を執っているそうです。


↓生まれはニュージャージー
ひばち


【この2人は良い選手だけども】


カーターは83試合で平均19.3点・6.7リバウンド・1.7アシスト。シュートエリアは広くないけどスピードを活かしたドライブが得意なスコアラーです。

一方、2年目のジョン・ローチは77試合で平均14.4点・4.5アシスト・FG成功率44.4%・3P成功率33.0%。オールラウンドな成績は決して悪くないんだけど、昨プレイオフで見せたほどのインパクトはありませんでした。


カーターはキャリアハイに近い得点アベレージでリーディング・スコアラーとなりましたが、それでもバリーには10点ほど届きません。おまけにリバウンドやアシストでの貢献は限られていました。ともにフルシーズンでバリーの穴を埋めるのは荷が重かったようです(そりゃそーか)。


↓ABAきっての実力派ジャーニーマン
ひばち


【ポルツあってのネッツです】


インサイドはビリー・ポルツが不動のCで、PFはチョーンズはトゥルーパー・ワシントンが出場機会を分け合いました。


ポルツは81試合で平均16.7点・12.5リバウンド・2.6ブロックをあげて、キャリア初のオールスター出場を決めました☆

前にどこかで書いたけど、この人のわたくし的イメージはビル・ウェニントンがすごく良い選手になった感じ。ウェニントンみたいにペリメーターでのプレイが上手いビッグマンで、でも、動きはよりスムーズで、出来ることも多いんです。のちにポルツ自身「自分がパワーで圧倒するようなCでないことは分かってたよ。自分のカテゴリーがわからないんだ。いつも、すべてのことがちょっとずつ出来るタイプだったんだよ」とコメントしています。


チョーンズは平均26.3分で平均11.4点・7.1リバウンド・FG成功率51.4%・FT成功率59.2%、ワシントンは平均26.7分で平均6.7点・7.3リバウンド・FG成功率53.9%・FT成功率62.4%。

プロ入り以降、得点&リバウンドで10点&10リバウンド前後のアベレージを残していたワシントンのキャリアはここ急降下。このシーズンを最後にネッツでもABAでもNBAでもプレイしません。対するチョーンズはここからもっと良くなっていきます(NBAでも通用する選手ですからね~)。テイラーと一緒にオール・ルーキー1stチーム入りを果たしました。スターじゃないけど、良い選手です。


↓のちにキャブスやレイカーズで活躍します
ひばち


【ベンチはマニアック】


昨シーズンまで使える控えだったジョー・ディプレは1試合のみのプレイ。怪我したのか解雇されたのかは定かじゃありません。その代わり・・・かどうかも定かじゃないけどwネッツ2年目のジョニー・バウムは75試合で平均7.3点をマーク。特筆すべきことのなかった昨シーズンからちょっと成長しました。


ラッキーは68試合で平均6.0点。この人はSGなのにFTが下手で、成功率が6割に満たないんですが、でもバウムより多いプレイングタイムを得ていました。


シーズン序盤には、NBAのバックスをクビになったばかりのゲーリー・グレガーというF/Cを獲得。この人は解雇されてABAに来たとはいえ、元々はNBAでオール・ルーキー1stチームに選ばれていました。ネッツでは可もなく不可もなくだったけど、ジム・アードよりは良かったかな。アードはこれがネッツでの最後のシーズンです。


この他にブライアン・マハニーというマンハッタン・カレッジ出身のルーキーGも19試合だけプレイ。マハニーはのちにルー・カーネセッカの跡を継いでセントジョンズ大のHCになります(カーネセッカはこのシーズン限りでネッツを去ってセントジョンズ大に戻り、92年まで指揮を執って、その次に就任します)。

元オールスターのベッカーが出たのは8試合のみ。すぐにチームを去っちゃいます(シャパラルズに行きます)


↓ミラクル・プレイオフから一転したネッツ
ひばち


ネッツにとって喜ばしかったのは、バリーが抜けてチームも弱くなったのに平均観客数が増えたこと。平均6700人を越える観客動員数はチーム記録で、ファンは見放さなかったようです。去年のプレイオフが効いたかな?


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