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Channel: NBAヒストリー(ひばち)
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Houston Rockets vol23-b

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R89~90プレイオフ1stラウンド


ひばち


ぎりぎり滑り込んだプレイオフで戦うのは第1シードのレイカーズ。カリーム・アブドゥル-ジャバーが引退したにもかかわらず、リーグトップの63勝19敗をあげた超強豪です。


レイカーズのスターターはマジック・ジョンソンバイロン・スコットジェームス・ウォージーAC・グリーンという不動の4人にベテランCのマイカル・トンプソンを加えた5人。

マジックはこのシーズンのMVPで、マジック&ウォージー&グリーンはこのシーズンのオールスターに出場、マジック&ウォージーはオールNBAチームに選出され、HCのパット・ライリーコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞しました☆


バックアップの中心はディフェンスに定評のあるマイケル・クーパー、得点源の一角でもあるオーランド・ウールリッジ、オール・ルーキー1stチームに選ばれたCのブラデ・ディバッツら。

PGのラリー・ドリューマーク・マクナマラジェイ・ビンセントメル・マッキャンツはプレイオフではほとんど出番がないでしょう。


シーズン中の対戦成績は意外にも2勝2敗。ロケッツは4試合中3試合でアキーム・オラジュワンが抑えられてるんですが、オラジュワン以外の活躍で勝った試合もあり、相性は悪くなさそう。なんとか一矢報いたいところです。


●ゲーム1@グレート・ウェスタン・フォーラム


ロケッツのスターターはオラジュワン&オーティス・ソープバック・ジョンソンのフロントラインにスリーピー・フロイドバーノン・マクスウェルのバックコートという布陣。SGはシーズン終盤からそのままマクスウェルです。


レイカーズのゲームプランは明確で、それはずばりオラジュワンを抑えること。序盤からダブルorトリプルチームで潰しに来ます。一方のロケッツ(てかオラジュワン)はそこでムリに攻めず、ソープやフロイドやマクスウェルら周りのプレイヤーが良いプレイを見せました。

特に印象的だったのはマクスウェル。サイズ、経験・・・ほぼすべてがミスマッチになるマジックとのマッチアップながらも攻守に大健闘!ディフェンスではほぼフルコートでマッチアップし、オフェンスでは後年の不出来さが信じられないほど良いシュートを決めました。1Qはなんとロケッツが先行します(27対21)。


2Qに入るとロケッツは更にリードを拡げ、一時は35対22と大量13点差(!)レイカーズはTOが多く、オラジュワンのディフェンス&リバウンドも効果的でした。

そのオラジュワンが左目を負傷して一時ベンチに下がり、かたやレイカーズがディフェンスを強化&ウォージーにボールを集めるようになるとあっという間に追いつかれますが、そこでもう一踏ん張り。前半終了間際にはソープのブザービーターも決まり、49対43とリードを保ったまま前半を終えました。


後半に入ってもロケッツは善戦を続けますが、さすがにレイカーズも迫ってきます。前半おとなしかったスコットもゲームに絡み出し、ロケッツにとっていちばんの泣き所のSFをウォージーが攻め出し、Q終盤にはレイカーズが遂に逆転。ロケッツの勢いは最終Qまで持ちませんでした。

そして、最終Qはウォージーのひとり舞台。ジョンソンはウォージーのポストプレイを止められず、やられ放題。ロケッツはダブルチームを仕掛けるもさほど効果がなく、ビハインドは一気に2桁へ。最後は89対101で負けちゃいました。


↓ちょっと抑えるのは大変です
ひばち


オラジュワンは14リバウンド&7ブロックをあげましたが、オフェンスでは何も出来ず僅かに13点。レイカーズのダブルorトリプルチームはもちろん、トンプソンのディフェンスも良かったです。

ソープ21点&8リバウンド、マクスウェル20点はロケッツが善戦できた要因。フロイド12点、ジョンソン13点も悪くはありませんが、ジョンソンはウォージーとのマッチアップが辛いですね。


そのウォージーは34点をあげ(3PもFTもなしw)、マジックも23点&7リバウンド&14アシスト&3スティールといつも通りの活躍ぶり。ただ、それぞれTOが6つもありました。

スコットが7点しか取れませんでしたが、オラジュワンに好守を見せたトンプソンは12点&8リバウンド&5ブロックをマーク。グリーンも13点をあげました。ライリーHCはこの勝利で、プレイオフ歴代最多勝タイになりました(もう1人はレッド・アワーバック)。


●ゲーム2@グレート・ウェスタン・フォーラム


ライリーHCの史上最多勝がかかったこの試合で先行したのはレイカーズ。ゲーム1終盤から鬼門だったジョンソンのところをウォージーに攻められました・・・

が、ロケッツはオラジュワンのディフェンス&リバウンドを契機にすぐ盛り返します。ディフェンスからの速攻が何本か決まると流れはロケッツに傾き、1Qはマクスウェルのブザービーターで終了(33対30)!すると2Qはもっともっとロケッツが優勢になります。


オラジュワンのディフェンス(てかブロック)が効いたかレイカーズは外から打ちますが、これがまったく決まりません。逆にロケッツはフロイド&マクスウェルのバックコートが好調で、例えこの2人が外してもオフェンス・リバウンドのフォローが上手くいきました。このQ、なんと最大19点差まで拡げる怒濤の攻撃を見せ、アウェイにもかかわらず65対48で前半を終えました。


3Q。レイカーズはディフェンスを強化してきました。また、ゲーム1~この試合の前半までおとなしかったスコットが立て続けにシュートを決めます。ロケッツは好調フロイドの活躍などで対抗しますが、要所で決まるスコットの3Pには重みがありました(このQだけで13点)。82対75と7点差で最終Qへ。


点差が詰まったとはいえレイカーズに余裕はありません。ライリーは4Qが始まってもスターターを下げません。このスターターを引っ張る作戦はあまり上手くいかないんですが、その後ベンチから出て来たディバッツ&ウールリッジがマジックとの連係プレイで活躍するんですね~


~残り1分50秒を切って98対95とロケッツリードの場面~


オラジュワンがインサイドで囲まれてパスアウトしたところ、ウールリッジがスティール!ウールリッジはそのまま1人で持ち込んでレイアップ・・・を外しちゃうんですが、これを後ろから走ってきたディバッツがダンクで押し込みます(98対97)。


ロケッツはマクスウェルがマジックを交わして難しいジャンパーを沈めますが(100対97)、その直後ウォージーにチームペナルティのFTを2本決められます(100対99)。

そして、ロケッツはこの次のオフェンスでオラジュワンが再びインサイドからのパスアウトをウォージーにスティールされるTO(!)ウォージーはそのままワンマン速攻で持ち込んで、ダンクを決めました(100対101)。


ロケッツは次のオフェンスで攻め手がなく、マクスウェルが単発で打ってミス。最後はウォージーのFTでとどめを刺されました。最終スコアは100対104。惜しかったんですがね~


↓スピードとクイックネスと攻め気の姿勢が◎
ひばち


オラジュワンは11点&11リバウンド&10ブロック&2スティール&4TO。(特に前半)ディフェンスでの存在感は圧巻で、ブロックは見事でした。あれだけ徹底的にマークされたら得点が伸びないのは仕方ないとして、4Q終盤の連続TOは勿体なかったです。

フロイド27点&8アシスト、マクスウェル24点はレイカーズを苦しめ、ソープも14点&8リバウンドときっちり仕事をしました。ジョンソンは15点&6リバウンド&6アシストとオールラウンドに頑張りましたが、やはりウォージーとのマッチアップは厳しいです。


レイカーズはウォージー32点、マジック17点&7リバウンド&14アシスト、スコット17点がチームを牽引。ディバッツ12点、ウールリッジ10点は欲しいところで決めました。これでライリーはプレイオフ通算100勝目をあげ、歴代最多勝となりました☆


●ゲーム3@ザ・サミット


この試合も序盤はロケッツのペース。マジックorウォージーがポストプレイを仕掛けてきたときは早めにダブルチームを仕掛けたり、オラジュワンも得点に絡んだりと過去2戦の反省が活かされており、いきなり2桁のリードを奪いました。


1Q終盤にはFTを外しまくって追いつかれちゃうけど、2Qに入るとオラジュワンやフロイドの活躍で再びリード。レイカーズも決して悪くはなかったけど流れはロケッツの方が良く(少なくとも僕にはそう見えたかな)、前半終了間際にオラジュワンが3つ目のファウルを犯したことを除けば、いい戦いぶりでした(60対56)。


3Q。開始早々ロケッツはいきなりピンチに陥ります。オラジュワンが4つ目をやっちまうんですね~

ドン・チェイニーHCはオラジュワンを下げてティム・マコーミックを投入。ロケッツの戦力ダウンは明らかで、すぐに点差を詰められ、逆転されてしまいます。前半は主導権を握りながらも後半逆転されて敗戦、という過去2戦のパターンがちらつきます・・・が!この試合のロケッツはここで粘りを見せるんです。


カギを握ったのはソープ。ここまでフロイド&マクスウェルにスポットライトを奪われていたソープがインサイドで大暴れ。特に圧巻だったのは、インサイドでディフェンスと激しく接触しながらも決めた2本のバスケットカウントで、ロケッツはすぐにリードを奪い返しました。

Q終盤には再度レイカーズに逆転されちゃいますが、チェイニーはここでオラジュワンを投入。出て来たオラジュワンはすぐに難しいジャンパーを2本決めて再逆転!92対90とリードして3Qを終えました。


そして4Q。ロケッツは開始から連続得点をあげ、またしてもリードを拡げます。そして、今度はこのリードを失いませんでした!最終スコアは114対108。点差だけ見ると競ったようにも見えますが、ロケッツは残り3分を切ったところでも2桁得点差をキープしており、最後は危なげなく締めました。


↓良い選手ですよね
ひばち


ロケッツはソープ27点、マクスウェル26点、フロイド23点&18アシスト、オラジュワン22点、ジョンソン12点とスターターが文句なしの大活躍。オラジュワンがいない時間帯にインサイドで踏ん張ったソープ、確率悪かったけどいいところでシュートを決めたマクスウェル、マジック&スコットのバックコートをスピードで翻弄したフロイド・・・と各自の内容もよかったです。

あと、3Qに登場したマコーミックも3点&5リバウンドの数字以上に貢献しました。今まではオラジュワンが下がるとラリー・スミスが出てくるパターンが多かったんですが、ここはチェイニーの判断が活きましたかね。


レイカーズはウォージー26点、マジック17点&8リバウンド&18アシスト、グリーン16点、スコット16点。また、ベンチからウールリッジが18点をあげました。

マジックはシュートが決まらなかったけど、ウールリッジらを巧くお膳立て。(ロケッツがマジックやウォージーを警戒するもんで)フリーになることが多かったグリーンは距離のあるジャンパーをよく決めました。若き日のディバッツがオラジュワンに翻弄されたのは、ある意味この試合のハイライトです。


●ゲーム4@ザ・サミット


2勝1敗と先行しているとはいえ、過去3戦すべてで追いかける展開となっているレイカーズは、戦い方を少し変えてきました。

1Q途中でグリーンがファウル2つで下がったとき、ウールリッジではなくクーパーを入れてスモール・ラインナップを起用。また、過去3戦でほぼ出番がなかったドリューを2Q頭から使い、マジック&スコットが両方ベンチに下がる時間帯をつくってきました。


一方のロケッツは過去3戦で好調だったマクスウェルが不調。1Q終了時にハーフライン辺りから3Pのブザービーターを決めますが、それ以外はシュートが決まらず、早い時間帯からミッチェル・ウィギンスのプレイングタイムがけっこうありました。


ゲームはレイカーズがリードして、少し離そうとするとロケッツが追いつくといった展開。ロケッツはオラジュワンが(オフェンスでは)このシリーズ最高の動きを見せますが、一方のレイカーズはウールリッジ、ディバッツ、クーパーらベンチ陣が良い働きを見せます。

ロケッツは何度も追いつきかけるんだけど、どうしても逆転することが出来ないんですよね~


そして4Q。ロケッツは開始から連続得点あげ、またしても1点差まで迫ります。でも、これが最後の力でした。

タイムアウトを挟んでレイカーズが立て直してくると、まだ4Q序盤にもかかわらずオラジュワンが5つ目のファウルをやっちゃいます。ここでチェイニーHCはオラジュワンをいったん下げるんですが、ここでシリーズは実質終わりました。

レイカーズはそこからリードを2桁に拡げ、そのまま危なげなく勝利。オラジュワンがコートに戻っても流れに影響はありませんでした。最終スコアは109対88。最後は第1シードvs第8シードらしいスコアでした。


オラジュワンは28点&14リバウンド&3スティール&4ブロックと今シリーズいちばんバランスの取れた活躍を見せました。ソープ18点&9リバウンド、ジョンソン10点、フロイド12点&10アシストも悪くはなかったんだけど、マクスウェルが9点(FG2/11)と大ブレーキ。ウィギンスが9点をあげたけど、マクスウェルのスピード&果敢に攻めるスタイルにはレイカーズも手を焼いていただけに痛かったです。


レイカーズはウォージー20点&7リバウンド&7アシスト、マジック19点&6リバウンド&8アシストと主軸がオールラウンドなプレイを見せ、この2人以外にスコット15点、トンプソン12点、グリーン11点、ウールリッジ12点、ディバッツ18点と続き、実に7人が2桁得点をマーク。

リングの遙か上から叩き込んだウールリッジのダンク、オラジュワンをスピンで交わして決めたディバッツのリバースレイアップは印象深いです。


↓歴代最多勝&最高勝率コーチ
ひばち


4試合でフロイドは平均18.5点・10.3アシスト、マクスウェルは平均19.8点とシーズンを大きく上回る大活躍。この2人はスピードがある上にアグレッシブで、レイカーズの定番バックコートを苦しめました。

平均20.0点・FG成功率60%をマークしたソープも良かったけど、シリーズ前半にもっと目立って欲しかったかなぁ。オラジュワンは最終戦こそ28点をあげたけど、シリーズ平均はブロック(5.8ブロック)以外ほぼすべてシーズン以下の出来。ホームではファウルトラブルにも苦しみました。


ロケッツはこれで3年連続1stラウンド敗退。あまりにも層が薄く、スミスもウィギンスもレイカーズ相手では長時間の起用は厳しそう。基本的にスターターが下がったときの戦力ダウン感が大きく、スターター5人で戦ってるようなモノでした。


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