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Channel: NBAヒストリー(ひばち)
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New York Nets vol2

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N68~69シーズン


ひばち


このオフ、オーナーのアーサー・J・ブラウンは「チームはニュージャージーではやっていけない」と判断。チーム創設時のプラン通りニューヨークへの移転を決意し、チーム名も新たにニューヨーク・ネッツとなりました(「ネッツ」というのはバスケット・ゴールのネットのことで、MLBのニューヨーク・メッツ、NFLのニューヨーク・ジェッツと韻を踏んでいるてのは有名な話ですかね)。


大問題のホーム・アリーナは昨プレイオフで地獄を見たコマック・アリーナ(ロングアイランド・アリーナ)。プレイオフ直後、ブラウンはアリーナの経営者と揉めてたみたいなんだけど、最終的には落ち着いたようです(他になくて妥協しただけかもですが)。


【誰が誰やらw】


・ドラフト指名権と交換で、シャパラルズ(現スパーズ)からモーリス・マクハートリーを獲得。

・ドラフト指名権と交換で、同じくシャパラルズからウィリー・ウォースリーを獲得。

・金銭と交換で、ペイサーズからオリバー・ダーデンを獲得。

・金銭と交換でマーベリックスから獲得したデウィット・メニアードをカーネルズにあげて、ウィル・フレイジャーを獲得。


マクハートリーは6フィート3インチのスウィングマン。昨シーズンはシャパラルズで平均15.3点をあげるなど得点源として活躍していました。

ウォースリーはテキサス・ウェスタン大(エルパソ校)出身のルーキーPG。5フィート9インチ・175ポンドと小柄なPGで、同大が66年にケンタッキー大を破って全米を制したときの主力です(テキサス州の大学が勝ったのは史上唯一だとか)。地元ニューヨーク出身で高校時代は地元のスター。同校の後輩にネイト・アーチボルドがおり、アーチボルドはウォースリーを尊敬していたそうです。この2人はテキサス大でも1シーズンだけバックコートを組んでいます。

ダーデン&フレイジャーはともに6フィート7インチのF/C。昨シーズンは、ダーデンはペイサーズで平均12.0点・6.8リバウンド、フレイジャーはマーベリックスで平均12.4点・8.8リバウンドでした。


↓後輩はまさかの大スターになっちゃいます
ひばち


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創設2年目のABAはまだすべてにおいて模索している状態。「1年目はこんなに良い成績残したのにどこいっちゃうの?」みたいな選手が山ほどいます。そして、そんな選手はネッツにもたくさんいました★


ネッツは4勝3敗とまずまずのスタートを切ったけど、よかったのはそこまで。どんどん負けが込み、シーズン中盤以降は12連敗・10連敗を喫するなど最悪モード。最後は14連敗で幕を閉じました。

17勝61敗は、イースタン・ディビジョンはもちろんのことABA全体で見てもダントツの最下位でした。


ネッツ不振の要因は、まぁもともと強くもなかったんだけどw度重なる補強の失敗。昨シーズンの主力が故障などでパフォーマンスを落としていたこともあるけど、このシーズンのネッツはハンパじゃないくらい活発に動いたんです。そして、そのどれもが微妙だったんですね~


●トレード第1段

・(トレードじゃないみたいだけど)ステュ・ジョンソンはマーベリックスへと去っていきました。

トニー・ジャクソンを出して、パイパーズからドラフト指名権を獲得。

・ドラフト指名権を出して、ロケッツからボブ・ヴァルガを獲得。

昨シーズン得点源として活躍したジャクソンはアッという間にいなくなっちゃいました~故障でもしてたんですかね(トレード前は3試合平均7分ほどしかプレイしていません)


ヴァルガは6フィート1インチのG。得点力が高く、昨シーズンはシャパラルズでオールスターに選ばれるほどの活躍を見せたんですが、兵役のために31試合しかプレイできず、オールスターでもプレイすることが出来ませんでした。ロケッツでは構想には入っていなかった模様。


↓ロケッツは現デンバー・ナゲッツのことね
ひばち


●トレード第2段

・マクハートリーを出して、フロリディアンズからロン・ペリーを獲得。

ダン・アンダーソン&ダーデンを出して、カーネルズからランドルフ・マハフィーマニー・リークスを獲得。


ペリーはアウトサイド・シューター。このシーズンはやや成績を落としていましたが、昨シーズンはフロリディアンズ(当時はミネソタ・マスキーズといいました)でコアメンバーのひとりとして活躍しました。

この当時NBAではまだ導入されていなかった3Pを武器としており、昨シーズンは成功数&試投数&成功率でトップ5に入っています。マクハートリーはシューターではないんで・・・


アンダーソンは今シーズンもインサイドの切り札的存在でしたが(平均11.1点・8.7リバウンド)、似たような成績を残していたダーデンと一緒にあっさり放出。代わりにゲットしたマハフィー&リークスもインサイドのプレイヤーです。


↓空中戦で潰されそうなのがペリー
ひばち


●トレード第3段

・ペリーをペイサーズへ出して、ステファン・チュービンを獲得。

・リークスをシャパラルズへ出して、ドラフト指名権を獲得。

レバーン・タルトハンク・ホイットニー&ヴァルガを出して、マーベリックスからウィリー・ソマーセットレアリー・レンツを獲得。

ホイットニー先生は教師業が忙しいのか(わかんないけどw)パフォーマンスが落ちており、ペリーもヴァルガも20試合程度しかプレイしないまま、また別のチームへと去っていきました。


ペリーは平均19.3点・3P成功率38.6%、ヴァルガは平均12.8点、タルトは平均14.7点。得点力のある3人のGはチームを機能させることが出来ず、結局みんな一緒に放出されちゃいました。

ペリーはルーキーイヤーを上回る活躍ぶりで、タルトは故障があったんで同情の余地あり?ヴァルガは平均20分程度しかプレイしませんでした。


カーネルズから獲得したばかりのリークスは、カレッジ時代は強力なリバウンダーで、ネッツではその片鱗を見せてくれました(平均12.5点・14.2リバウンド)。プレイングタイムもかなりもらってたんですが・・・チームの未来図には入っていなかったようです。


新加入の中で目玉はマブスから獲得したソマーセット。デュケイン大史上に残るスターで、5フィート8インチ・170ポンドの小柄なスコアラー。クイックネスと跳躍力に長け、そのプレイスタイルを「猫のようだった」と形容してるサイトもありました。昨シーズンは61試合で平均21点を上回っており、今シーズンもトレード前までに43試合で平均23.5点をマーク。オールスターにも選ばれています☆


チュービンは昨シーズンのアミーゴスの中心選手。スターなき弱小アミーゴスのリーディング・スコアラー&パサー(リーグ2位の平均4.7アシスト)でした・・・が、今シーズンはあちこちたらい回し状態。

「ロサンゼルス・スターズ」と生まれ変わったアミーゴスから放出され、更にパイパーズ、ペイサーズと移籍を繰り返していました。がっちりした体格のGで、ペリーと違って3Pはありません。


レンツはおまけ。昨シーズンはマブスのインサイドを支えたけど、このシーズンは特になし。来年以降はABAでもNBAでもプレイしません。


↓初期ABAにそれなりのインパクトを残した?
ひばち


創設間もない&選手が定着しない&めちゃ弱い!こんな酷くちゃ観客が集まるはずもなく、1000人を越えるのも珍しいほどの閑散とした状態。400人に満たないこともあり、クリスマスのゲームではたった249人しか観に来ませんでした。

クリスマス直後のオークス戦では3814人もの集客に成功していますが、これはオークスのリック・バリー見たさに集まったお客さんのようです(バリーはニュージャージー出身)。


また、苦心して?確保したコマック・アリーナは昨プレイオフほどではないにしても最悪。氷の上にフロアを作っているためか寒く、フロアは湿っぽく、おまけにゴールの後ろはちゃんと氷が隠れていない部分もありました(タルトが怪我したのはこの氷むき出しの部分にダイブしてしまい、頬骨を骨折したからです)。

ビジター・チームのプレイヤーはベンチにいる間、手袋とコートを身につけていたなんて話もあるそうです。


【生き残ったはいいけど?】


1シーズン通して生き残ったのはウォルター・サイモンボブ・ロイド、フレイジャー、トミー・ボウェンズ、ウォースリーだけ。


サイモンは68試合で平均21.1点・8.1リバウンド・3.4アシスト。シュートエリアは広くないけどクイックリリースから放たれるジャンパーは正確で、ドライブにも光るモノがありました。

アンセルフィッシュなチームプレイヤーだけどこのシーズンの最悪なチーム状態には我慢ならなかったようで、チームメイトに苦言を呈したこともあるとか。ハイライトはキャリア唯一の出場となるオールスターで18点をあげたことでしょう。


ロイドは67試合で平均9.9点・FT成功率88.6%(リーグ3位)。これがプロ最後のシーズンです(のちにビジネスマンとして成功するみたい♪)。


フレイジャーは75試合で平均7.4点・5.5リバウンド、ボウエンズは76試合で平均6.0点・6.0リバウンド、ウォースリーは24試合で平均6.0点でした。

NCAAに残るアップセットを演じたウォースリーはプロでは通用せず。この後早々に現役を退き、コーチ業などに身を置きます。


【新加入組】


ソマーセットは31試合で平均24.1点をマーク。もしかしたら「史上最低身長のスコアラー」なんて言い方が出来るかも知れません☆

ただ、ソマーセットはこのシーズンを最後にABA/NBAでプレイしません。元々マーベリックスの財政状況に不満があってトレードを希望したようなんですが、ニューヨークにも来たくなかったようです。オフには薬剤師として働いていたとか。


昨シーズン得点&リバウンドでダブルダブルのアベレージを残してオールスターに選ばれたマハフィーは、シーズン序盤はカーネルズで出場機会が減っていましたが、ネッツ移籍後は復調!平均13.8点・8.1リバウンドをマークしました。


シーズン途中にはケン・ウィルバーンというFも4試合だけプレイ。この人はNBAのブルズをクビになり、そこをネッツが拾い、またすぐに解雇されちゃう・・・なんでもない選手なんですが、実はこの僅か4試合の間で大きな爪痕を残してくれるんです。詳しくはのちほど☆


NBAのチームをクビになったという括りでは、サンズをクビになって来たロッド・ナウルズというルーキーF/Cもいました。1試合しかプレイしなかったけど。

途中加入組じゃないけど、トニー・コスキというプロビデンス・カレッジ出身のFもいました。こちらもルーキーです。


↓サイモンはこんな細い身体でチームを引っ張ったんです(違)
ひばち


「私たちは来シーズン新しいHCを迎えるだろう。そのHCのシステムに僕がフィットするかは分からない。たぶんそのHCはチーム全体を変えようとするだろうし、新しい選手たちを連れてこようとするだろう。来年もABAでプレイするけど、それは必ずしもネッツではないかもね」とはサイモンのコメント。

チームの将来が不安で仕方ない感じですね。


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【シークレット・ドラフト】


これは実に詳細の分からないシステムなんですがw、ABAにはシーズン終了後の4月に行われるドラフトの他、シーズン真っ最中(半ば過ぎ)にもドラフトが行われ、これがシークレット・ドラフトと呼ばれました。

このドラフトの特徴は、どのチームがどこの大学の誰を指名したか、というのを明かさないということ(!)ABAは4月に行われる通常のドラフトまでその指名を伏せていました(リーグが伏せていてもばれてたみたいだけどw)。


で、ですね。このシーズン中に行われたシークレット・ドラフトでネッツはUCLAの超大物C、ルー・アルシンダーを指名しました。アルシンダーは他でもないのちのカリーム・アブドゥル-ジャバー。これで契約出来たらハッピーなんですけどねー


【ABA Ball Night】


これはファンのためにチームが開催したイベント。地元の子供たちをアリーナに招待して、赤白青の3色からなるABA独特の公式ボールのレプリカをプレゼントすると。子供たちはそもそもネッツのこともネッツの選手たちのこともよく知らなかったみたいで、これは効果的なイベントでした。

カラフルなボールは子供たちの関心を引いたようで、このイベントを経て少しずつ誠実なファンを獲得し始めたようです。


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