華92~93シーズン②
キングの件が長くなってしまったので、また分けてみました。
【C】
このシーズン、個々で見て恐らくいちばん痛かったのがエリソンの怪我。
2月末のマジック戦で左膝を負傷(捻挫)し、そこでシーズン終了。49試合の出場に終わりました。
平均17.4点・8.8リバウンド・2.2ブロックはいずれも昨シーズンよりも低いですが、プレイングタイムも減っているので許容範囲ですかね?(フロントラインの層が厚いし)
因みに、ブレッツ加入以降、上り調子だったエリソンのキャリアは、ここを境に下降していきます。
エリソン離脱でスタートするのはやっぱりチャールズ・ジョーンズ。
こちらも4月頭に故障でアウトしちゃうんですが、今シーズンもリバウンドとブロックで頑張りました。
エリソン、ジョーンズの離脱時にはそれぞれアラン・オッグ、マークアクルスと10日間契約。
7フィート2インチのオッグは3試合しかプレイしませんが、アクルスは予想外?に健闘。特にディフェンスとリバウンドでインパクトを残し、ラスト7試合ではスターターとして起用されました。
アクルスについては、ナッシュGMも「我々が求めることをすべてやってくれる」と高評価。
因みに、グレッグ・フォスターは12月頭に解雇されています。
【キング騒動】
ブレッツのメディカル・スタッフが、91年9月に膝を手術して以来プレイしていなかったキングに練習参加を許可。
年明け、遂にチームに合流しました。
このとき、キングはアンセルド&ナッシュにミーティングを行い、試合への復帰と、それなりのプレイングタイムを求めました。
しかし、キングは故障者リストに入ったまま。
そして約2週間後の練習で、キングはアンセルドと衝突します。
「すぐに復帰させるか、放出するか、どっちかにしろ!リハビリをして復帰の準備はできてるんだ。もし応じないなら、チームを邪魔してやるぞ」と脅し、4日間の停止処分を喰らいました。
この少し前にも、ある試合で復帰を希望してアンセルドに認められなかったり、練習で指示されたドリルを拒否してアンセルドを罵り、チームメイトに宥められたり、と不穏な兆候はあったようです。
チームは、処分が明けたら再び故障者リストに登録することを示唆。
エイブ・ポリンは復帰の可能性を臭わせましたが、ロスターには保障付き契約の選手が12人おり、その場合は誰かを手放す必要があります。
オーバートンが負傷したのがこの時期なんですが、フロントはすぐにコーチアーニと契約しており、少なくともアンセルドやナッシュGMにはすぐに復帰させる意志はなかったんでしょう。
というわけで、停止処分が課されてから約1週間後、キングは解雇されました。
今回厄介だったのが、キングがチームを離れて治療・リハビリしていたこと。
ノーマン・スコット医師は、今シーズンは復帰できるだろうと6月にはブレッツに言ってたのに何故復帰に驚くんだ?彼らは何故こんな大事にしたのか?と納得がいかないようでした。
アンセルドは、いくらミーティングをしようが、復帰できるか否かは練習で見て決めるというスタンス。
キングが最後にプレイした90~91シーズンとはメンツもだいぶ変わったので、最近のチームのフィルムを送ってもいたようですが、練習に姿を見せたキングが理解していたのは古いプレイばかりだったとしています(フィルムを希望したのはキング)。
因みに、昨シーズンからキャプテンでもあったグラントは、プロ入り以来、いちばんチームの雰囲気が良いとしており、キングの復帰に反対。
ググリオッタも、キングのスキルは認めながらも、チームより自分を優先するという評判に懸念を示していました。
復帰に好意的だったのはエリソンくらいだったとか。
キングがもし復帰した場合、キングのサラリーは計上されることになりましたが、解雇したので来シーズンはその分を補強に使えます(お金はキングに払うけど)。
ブレッツ的に、今のチーム状態でのキング復帰はメリットが薄いように思えますが、サラリー免除申請をリーグも認めていますし、コンディションが本当に元に戻っていたのかはわかりません。
キングはこの後ネッツと契約し、ベンチプレイヤーとして32試合をプレイします(現役最後のシーズン)。