火88~89シーズン①
開幕戦で弱小クリッパーズに20点差で敗れたヒートは、そのまま連敗街道へ。
惜しい試合もあったんですが、それ以上に大敗が多く、特に開幕8連敗となったレイカーズ戦では47点差で敗戦。
この試合、2Q半ばを過ぎるまで、レイカーズはファウルすら吹かれないという惨敗でした。
連敗ストップのチャンスと目されたのが、12月頭のキングス戦。
キングスは2勝しかできておらず、これまた弱いチームなんですが、ヒートはこれに2点差で惜敗。
次のナゲッツ戦にも敗れ、リーグ記録の開幕15連敗(同記録を保持していたのは49~50シーズンの旧ナゲッツ、70~71シーズンのキャブス)に並ぶと、翌戦ではブルズに大敗。
リーグ新記録をつくってしまいました。
フロントのチーム作りは明らかに将来を見据えており、このシーズンに負けが込むことは予想していたかと思いますが、さすがにここまでとも思っていなかった模様。
リーグ記録に並んでしまったナゲッツ戦の頃には、共同オーナーのゼイブ・バフマンも苛ついていたようでした。
初勝利はその2試合後、敵地でのクリッパーズ戦。
3Q終了時に10点のリードを奪いながらも4Qに反撃され、最後まで縺れるというヒヤヒヤする展開でしたが、要所でパット・カミングス&ロリー・スパロウが大事なシュートをヒット。
最後はクリッパーズのノーム・ニクソンがジャンパーを外し、1点差で逃げ切りました(89対88)。
リーグ記録となった開幕からの連敗は17でストップ。
因みに1シーズンでの連敗記録は20で、こちらは記録更新を免れました(72~73シーズンのシクサーズ)。
ケビン・エドワーズは、初勝利直後のチームの様子を、「優勝したみたいだった」としています。
その後もなかなか勝てず、オールスターブレイクまでに5勝しかできませんが(40敗)、後半戦は少し改善。
3月半ばからは、ラインナップも安定してきました。
スパロウ
エドワーズ
ビリー・トンプソン
グラント・ロング
ロニー・サイカリー
というラインナップで多くの試合を闘い、この時期にはまさかの3連勝もマークしています。
最終成績はリーグ最下位の15勝67敗。
20年ほど前、高校でコーチをしていたときに2年連続勝ちのないシーズンを過ごしたロン・ロステインにとってはひさしぶりのタフなシーズンとなりました。
ヒートにとって幸いだったのは、弱小クリッパーズと4度も対戦があったこと(3勝1敗と勝ち越し☆)。
立地的にウェスタン・カンファレンスへの配属はハードだったようですが、いいこともありましたね。
ロステインのお陰か、ディフェンスはそこまで酷くなかったんですが(数字で見る限りは)、オフェンスが壊滅的。
平均得点はリーグで唯一100点に届かず、TOもリーグ最多でした。
【G陣】
チームで唯一、シーズン通してスターターを務めたのはPGのスパロウ(80試合中79試合)。
平均12.5点・5.4アシスト・1.3スティールと、個人スタッツ上はキャリアベストのシーズンとなりました。
強引にひとりで攻めることはなく、ボールを回し、空いたら打つ、という控えめなスタイルですが、ちゃんと若いチームをリード。
初勝利のクリッパーズ戦の他、2月半ばのホーネッツ戦では決勝のブザービーターを決めるなど勝負強さも見せました。
ルーキーのエドワーズは、79試合中62試合でスタート。
平均13.8点はチームトップで、オール・ルーキー2ndチームに選ばれました。
シュートが上手く、ドライブもOK。ボール運びもこなせます。
プチサプライズはジョン・サンドボルド。
ベンチ・スタートが主ながら、平均10.4点をマーク。3P成功率52.2%はリーグ1位でした☆(本数は少ないけども)
スパーズ時代はPG的な起用をされていましたが、ヒートではオフガードで起用されることが多く、それがよかったですかね。
オールスター・ウィークエンドには3Pコンテストにも初出場しています。
Gの4人目はパール・ワシントン。故障が多く、54試合の出場に留まりました。
ストリート仕込みのスキルがあり、個人技に魅力のある選手ですが、PGとしてもオフガードとしてもスターターとしては今ひとつ。
プレイメイク、アウトサイド・シュートに難があります。
尤も、ベンチからの得点源としては貴重な存在。
スパロウ欠場時に代役を務めたときにも◎なスタッツを残しています(2試合だけ)。
Gはこの小柄な4人のローテーションが基本(みんな6フィート3インチ以下)。
エドワーズ&サンドボルド&ワシントンはコンボガード的な起用も多く、スパロウと同時にコートに立つこともしばしばでした。