狼91年オフ
オフに入ってすぐ、ビル・マッセルマンHCが解任されました。
【まぁこうなりますかねぇ】
マッセルマンは契約を1年残しての解任。
共同オーナーのマーブ・ウォルフェンソンの判断だったようです。
プレジデントのボブ・スタインはマッセルマンと何度もミーティングしており、「若手に沢山プレイさせるのを拒んだ」「チームとのコミュニケーション難」を解任の理由として挙げました。
マッセルマンは「チャンスをくれたウルブズには感謝しているが、毎試合勝つことが優先されないのはタフだった」とコメント。
選手たちとのコミュニケーション問題については否定していますが、選手たちにそれぞれの役割や状況(何故下げられのかなど)を説明するのが下手で、それがプー・リチャードソン、トニー・キャンベルらの不満に繋がっていたとされました。
ただ、シーズン最終戦でブレッツに勝った後、何も喋らなかったマッセルマンに対して、キャンベルは「彼に申し訳なく思う」とコメント。
プーものちに「マッスは私にとっては素晴らしいコーチだった」、マッセルマンも「ティンバーウルブズはコーチ可能なチームだと思う。私の下でキャリアベストのシーズンを過ごした選手をたくさんコーチしたよ」と、必ずしもすべてが険悪ではなかったようです。
因みにACのトム・シボドーも解任。息子のエリック・マッセルマンはスカウトになりました。
【ドラフト1週間前】
新HCにはジミー・ロジャースが就任。
他の候補としては、ダグ・コリンズ、コットン・フィッシモンズ、ケビン・ロッカリーらがいたようです。
ロジャースは、NBAではAC歴が長いんですが、過去2シーズンはセルティックスのHCでした。
昨シーズンは52勝をあげましたが、プレイオフは1stラウンドで敗れ、直後に解任。
セルティックスではコーチングに対する疑問の声もあがっていたようです。
ロジャースのプランは「オフェンスの強化」。
マッセルマンが堅実なハーフコート・オフェンスからのアイソレーションを好んだのに対し、ランニング・ゲームを標榜します。
ACはジム・ブリューワー&シドニー・ロウ。
ブリューワーはGM兼任。引退して間もないロウも、初のコーチ業です。
【そしてドラフト】
ドラフト1巡目第7位でルーク・ロングリー、2巡目第34位でマイロン・ブラウンを指名。
ポジションのニーズとしてはPFが欲しかったんですが、フロントはアリゾナ大のブライアン・ウィリアムスが気に入らなかったようで、今年もCにいきました。
ロングリーはオーストラリア出身のC。同国の選手がNBAのドラフトで指名されたのは初めてです。
84年からニューメキシコ州に住んでいますが、86年には母国でプロデビュー。87年にニューメキシコ大に入りますが、その後も母国に帰れるときにはクラブチームでプレイしていました。
88年にはソウル・オリンピックの代表メンバーにも選ばれています。
7フィート2インチ・265ポンドのサイズながら器用で、カレッジ時代は、「ビル・ウォルトン以来ベストのパッシングC」と評する見方もありました。
レイカーズのフロントにいたミッチ・カプチャックも、「すごくいいCになれるポテンシャルがある」「11位以内に入るだろう」「ゲームを知っている。カッターがいるときのパスの仕方、シュートの仕方、ピックのかけ方、アウトレットパスの出し方を知っている」と高評価。
ただ、その一方でムラがあり、パスが上手い一方でTOとなることも多く、積極性がないとも。
「ゲーム外でゲームのことを考えない」というキャラクターを懸念する向きもあったようです。
因みに、昨年もドラフトへのエントリーを検討していたとか。
ブラウンはスリーピー・ロック大ペンシルバニア校出身のPGで、同大史上初めてドラフトに掛かった選手。
6フィート3インチと小柄ですが、ゴール下でもプレイできるし、豪快なダンクも見せます。
【FAとか】
・ドナルド・ロイヤル、ボブ・ソーントン、ダン・ゴッドフレードはさようなら。
・テリス・フランクと契約。
フランクは、シュートの上手い6フィート10インチのF。
87年にドラフト1巡目で指名されて3シーズン過ごし、昨シーズンはイタリアでプレイしていました。
ロングリーとの契約交渉は難航。
この年のロッタリーピックは全体的に契約交渉に時間がかかるんですが、ロングリーはその中でも長期戦に。
トレーニング・キャンプはもちろん全休で、開幕にも間に合いません。