王87~88シーズン
このオフはまず新HCの確保から。
大物がやってきます。しかも2人。
【レジェンド】
シーズン終了から9日後、キングスは新HCにビル・ラッセルを招聘☆
更にその1ヶ月後には、ACとしてウィリス・リードと契約を結びました。
言わずとした元名選手/名Cの2人。
ラッセルは、現役最後の3年間はセルティックスで選手兼HCを務め、その間に2度優勝。
70年代にはソニックスで指揮を執り、チーム史上初のプレイオフ進出に導いています。
ただ、セルティックスは、前任のレッド・アワーバックが作ったチームでもあり、77年にソニックスを去ったのは選手たちとの不和が原因とされました。
今回はそれ以来のコーチ業。
数年前からコーチに関心を示していたようなんですが、希望は西海岸での仕事。(生まれはルイジアナ、高校・大学はカリフォルニア、当時はシアトル在住)。
キングスのオファーは7年契約で、いずれはGM、球団社長にもなれるという破格のものでした。
話自体は昨シーズンのオールスター・ブレイク中にあったみたいなんですが、シーズン中の引継をラッセルは嫌がったようです。
一方のリードは、引退後、古巣ニックスで少しだけHCを務めますが、その時は結果を残せず。ここ2シーズンはホークスでACを務めていました。
因みにジェリー・レイノルズはACとして残留。
フロントはレイノルズを残すために契約をよりよくしたようです。
【ラッセル新体制】
ドラフト前日、サンズにエディ・ジョンソンを出してエド・ピンクニー&88年のドラフト2巡目指名権を獲得。
ピンクニーは85年のドラフト1巡目でサンズ入りしたPF。
ビラノバ大が85年のNCAAチャンピオンになったときの中心選手でしたが、NBAでは今のところ目立った実績はあげていません。
ハロルド・プレスリーは当時のチームメイトです。
ジョンソンはキングス自慢の6マンであり、貴重な得点源だったんですが、どうもジョー・アクセルソンGMがあまり気に入ってなかったようです。
【そしてドラフト】
1巡目第6位でケニー・スミス、4巡目第74位でジョー・アーラッカスを指名。
スミスはニューヨークの高校時代からの有名人。
ある試合で、相手チームのプレス・ディフェンスを切り崩して何本もイージーなレイアップを決める姿を見た地元記者が「ジェット」と名付けたというエピソードがあります♪
名門ノースカロライナ大では1年次からスターティングPGとしてプレイ(あまりいません)。
卒業時点で通算アシスト数は同大史上&NCAAトーナメント史上1位でした。
ニックネームの通りスピードがあり、速攻やドライブからの展開が得意。鮮やかにダンクでフィニッシュすることもあります。
アーラッカスはナイアガラ大出身のPF。
ディビジョンⅠの学校なんですが、OBで有名なのはカルビン・マーフィーくらい。
カレッジ時代のスタッツは悪くないんですが、評価は高くありませんでした。サイズの割にシュートが上手です。
因みに当時、元々キングスはセントラル・アーカンソー大のスコッティ・ピッペンに関心を持っていました。
しかし、ブルズがそれを知り、5位指名権を持っていたソニックスと「ソニックスにピッペンを指名してもらい、その後に別途トレードをする」という交渉を成立させてしまいます。
目の付け所は悪くなかったんですね。
【補強は続くよ】
・マイケル・ジャクソンと契約。
・88年のドラフト2巡目指名権を出して、ニックスからジャワン・オールドハムを獲得。
ジャクソンは、昨年のドラフト2巡目でニックスから指名されていたPG。ジョージタウン大出身で、パトリック・ユーイングらとチームメイトでした。
昨シーズンは開幕ロスターに残れず、これがNBAデビューとなります。
オールドハムはキャリア7年の7フッター。
手足が長く、機動力もあり、ブロックショットには定評があります。シュートは苦手ですが、バックアップとしては悪くありません。
リードはこのオールドハムを評価していたようで、契約延長をスタッフに希望しますが、ラッセルが慎重で話は進みませんでした(これは賢明な判断です)。