帆91~92シーズン
チャールズ・スミスは暫くいませんが、ドック・リバースは開幕3戦目から合流(契約問題は11月末に解決)。
序盤はこんな布陣になりました。
ゲーリー・グラント/リバース
ロン・ハーパー
ダニー・マニング
ロイ・ボート
オールデン・ポリニス
11月下旬に6連敗を喫しますが、少し後に8連勝(79年以来最長)をマークし、12月半ばの時点で14勝10敗。
その間にスミスも復帰しました。
しかし、その直後からじわじわと苦戦。
1月は(ロードが多く、スケジュール的に厳しかったとも思いますが)連勝が一度もなく、いつもの借金生活へ。
そして21勝24敗となった2月頭、マイク・シューラーが更迭されました。
シューラーの契約は来シーズンまででしたが、解任の噂はちらほら。
具体的な兆候としては、キング牧師記念日に練習をやろうとして、選手たちに拒否されるという一件がありました。
フロントは新HCをオールスターブレイク中に探すとして、それまでの暫定HCはACのマック・カルビンが務めることに。
しかし、ブレイク前最後の試合の直前、早くも新HCがアナウンスされます。
●ラリー・ブラウン登場
ブラウンは、ABA、NBA、NCAAで計20年近いキャリアのあるベテラン。
80年代にはカンザス大の指揮を執っており、マニングはそのときの教え子です。
直近では88年からスパーズのHCを務めており、1月末に解任されたばかりでした(そのため、クリッパーズが自分に接触してきたときは驚いたとか)。
ブラウンはオールスターブレイクを利用して、約一週間の三にキャンプをUCLAで行います。
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ブレイク明け、スミスが再び戦列を離れますが、いきなり5連勝。
その後、勝ったり負けたりの時期がありますが、3月に入ると12試合を10勝2敗とするなど、なんと一気にプレイオフ当確圏内へ。
(恐らく)シーズン80試合目のウルブズ戦に勝って45勝35敗としたところで、プレイオフ進出が確定したかと思われます。
45勝37敗はカンファレンス7位。
16シーズン振りの好成績&プレイオフ進出、13シーズン振りの5割超え、ロサンゼルス移転後初めてレイカーズを勝率で上回る…といいこと尽くし。
ブラウン就任後は23勝12敗でした。
ブラウンは後半戦でフロントコートのメンツを弄っており、最終的にはノーマン&マニング&スミスを並べる布陣に行き着きました。
グラント
ハーパー
マニング→ノーマン
ボート→マニング
ポリニス→エドワーズ→スミス
このシーズンのスミスは故障に苦しみ、ベンチスタートも多いんですが、終盤、スターティングCに入ってからは元気なスタッツを残しています。
【大怪我を克服した2人】
ブラウン就任を喜んだマニングは、初めてシーズン通してスターターに定着。
全82試合でスタートし、平均19.3点・6.9リバウンド・3.6アシスト・1.6スティール・1.5ブロックをマークしました。
ラインナップの記録を見ると、これまではSF的な立ち位置が多かったんですが、このシーズンの後半からはPFにシフトしています。
ハーパーもまた全82試合でスタート。
平均18.2点・5.5リバウンド・5.1アシスト・1.9スティールとこちらもオールラウンドに活躍しました。
ブラウン就任後、得点がアップしています(平均16点台→平均20点ほど)。
【F】
スミスにとっては厳しいシーズン。開幕から17試合、ブレイク明け9試合を含む33試合を欠場。
49試合(25試合がスタート)しか出られず、ミニッツも大幅に減少しました。
平均14.6点・6.1リバウンド・2ブロックは、過去3シーズンを振り返ると寂しいです。
ノーマンは2月最後の試合からスターターに(約1年ぶりに)復帰&定着。
平均12.1点・5.8リバウンドは2年目以降ワーストでしたが、ブラウン就任後にミニッツが増えており、それと共にスタッツも向上しています。
2年目のボートは、スミス負傷の影響もあったと思いますが、出場機会が増加。
シーズンの約半分でスターターを務め、スタッツも軒並みアップしました。
【PG】
リバースは59試合で平均10.9点・3.9アシスト・1.9スティール。
シーズン前半は多くの試合でスタートしましたが、2月頭に2週間ほど戦列を離れてからは、ベンチスタートになりました。
この人はハーパーのバックアップに入ることもあり、その意図もあったでしょうか。
そんなワケで、このポジションではグラントが引き続きメインのスターター。
ブラウン体制で出場機会を増やしたひとりで、最終的に78試合で平均7.8点・6.9アシスト・1.8スティールをマークしています。まぁ平常運転ですかね。
【C】
ポリニスは開幕からずっとスターティングCを務めていましたが、3月に入ってから出場機会が減少。
3月末にベンチスタートになると、数分しか起用されない試合もケースも出て来ました。
シーズン通してのスタッツはまずまずなんですが…
エドワーズは72試合で平均9.7点。リバウンドが異様に少なかったのは衰えですかね。
リロン・エリスは29試合に出ましたが、10分以上起用されたのが2試合だけと1巡目の期待には応えられず。
【細々】
・11月末、デビッド・リバースと契約。直後にエリオット・ペリーを解雇。
・12月頭、ラナード・コープランドを解雇。
・1月頭、トニー・ブラウンを解雇。直後にダニー・ヤングと契約。
・3月頭、サロン・メイズと契約(すぐ解雇)。
リバースはこれが2年ぶりのNBA。
昨シーズンはCBAにいました。今回は前回在籍時ほど起用されず、1月頭に解雇されます。
ヤングは7年目のPG。88~89シーズンからブレイザーズでプレイしていましたが、年明けに解雇されていました。
バックアップとしてはまずまずの選手。
シューラーは、解任直前、リバースが戦列を離れた際にグラントではなくヤングをスタートさせていました。
メイズは6フィート3インチのルーキーG。
NBAのドラフトにはかかっておらず、このシーズン、シクサーズでデビューしますが、年末に解雇されていました。
クリッパーズでは3試合のみです。
2年目のボー・キンブルは、34試合・平均8.1分しかプレイせず。
左足のストレス反応で開幕から2ヶ月近く欠場し、復帰後も出番はかなり限定的でした。
キンブル自身、「とにかくシュートを打て」というスタイルだったカレッジ時代のようにはいかない、と覚悟していたようですが、ここまで上手くいかないとも思っていなかった模様。
カレッジ時代の活躍やそのエピソードからロサンゼルスでは人気のある選手でしたが、チームメイトと関係性を築くのにも時間がかかり、シューラーともブラウンとも、噛み合いませんでした。
のちに、このシーズンについて「人生最悪の年」と表現しています。