牛85~86プレイオフ~1stラウンド~
ブルズの相手は、リーグ最高勝率を残した第1シードのセルティックス(67勝15敗)。
シーズン中の対戦成績も1勝5敗と負け越しています。
●ゲーム1@ボストン・ガーデン
ブルズが組んだマッチアップはこんな感じ。
ラリー・バード←オーランド・ウールリッジ
ケビン・マクヘイル←デイブ・コージーン
ロバート・パリッシュ←チャールズ・オークリー
一方のセルティックスはウールリッジにマクヘイル、オークリーにパリッシュをつけ、バードはコージーンとマッチアップさせる余裕?のプランです。
1Q。先に流れを掴んだのはブルズ。
マイケル・ジョーダンの個人技がチームを引っ張ります☆
マッチアップ相手のデニス・ジョンソンはディフェンスの評価が高い選手ですが、ジョーダンを抑えられません。
このジョーダン1本の攻撃にウールリッジが絡むようになり、ブルズが35対27とリードして1Qを終えます。
流れが変わったのは2Q途中。
ジョーダンがベンチに下がった時間帯でした。
バードがシュートを決めだし、ビル・ウォルトン&ジェリー・シースティングの働きも◎。
ジョーダンが戻ってもセルティックスの猛攻は止まらず、前半の最後に逆転をゆるしてしまいます(59対61)。
そして後半は更にセルティックスの流れに。
今度はジョンソンが当たり始め、点差はどんどん開きます。
ジョーダンは前半のキレがなく(セルティックスのディフェンスも対応してたかな)、一方的な展開となりました。
最終スコアは104対123。
ジョーダンは49点をあげましたが、うち30点が前半で後半は失速気味。
ウールリッジ25点、オークリー13点&10リバウンドはがんばりましたが、あとが続きませんでした。
セルティックスは平常運転でしたかね。
●ゲーム2@ボストン・ガーデン
これがかの有名なジョーダン63点ゲームです☆
ジョーダンは1Qから着実に得点を重ねますが、それ以外で大きかったのが、ウールリッジ、オークリー、コージーン、シドニー・グリーンらの奮闘。
ハッスル度がゲーム1を上回っており、そうなると相手のファウルがかさみます。
序盤でパリッシュをファウルトラブルに追い込んだのは◎でした。
カイル・メイシーが1Q終了間際にブザービーターを決め、33対25とリードを奪います(ジョーダン17点)。
2Q。ブルズはジョーダンを休ませ、(この当時)プレイオフの通算得点アベレージ歴代2位のジョージ・ガービンを投入。
ゲーム1ではこの時間帯にあっさり追いつかれたわけですが、今度は粘ります。
ガービンは目立ちませんでしたが、グリーンとウールリッジががんばりました。
チーム全体で前半1TOというミスの少なさも光り、58対51と7点リードで前半を終えます(ジョーダン23点)。
3Q。スタン・アルベックHCはコージーンを外してジーン・バンクスを投入。
ビッグ3擁するセルティックスに対してスモールラインナップで挑みます。
それが機能したかは微妙ですが、序盤からのハッスルプレイ&バンクスらの渋い働きが実を結びます。
Q序盤にパリッシュが4つ目のファウル犯し、その代わりに出て来たウォルトンもすぐに4つ目をやっちまうんですね。
セルティックスはウォルトンまで下げるワケにもいかず、ブルズもオークリーが4つでしたが、流れはブルズでした。
しかし、セルティックスは、ここでダニー・エインジが流れを変えます。
前半目立たなかったエインジが、アグレッシブなプレイでセルティックスに火を点け、ブルズのリードは3点に(91対88)(ジョーダン36点)。
そして4Q序盤、24秒ギリギリで放ったバードの3Pが決まって遂にセルティックスが逆転!
少し後には、リバウンド争いからコートに倒れたマクヘイルの、そのまま放ったシュートが決まるミラクルもありました。
もうズルズルいってもおかしくない雰囲気だったんですが、ここでジョーダンが立ち向かうんですね。
難しい体制からでも最悪FTに持ち込むのは当たり前。
Q半ばにはジョーダンがドライブを仕掛け、これにウォルトンがファウルしてファウルアウト(!)
ディフェンスでもマクヘイルとパリッシュに対してヘルプからいいブロックを決めるなど、攻守に目立ちます。
終盤はシーソーゲームとなり、セルティックスは主力のファウルトラブルが続出。
バード、ジョンソン、エインジがファウル5つとなり(ブルズもオークリーが5つ)、どちらに転ぶか分からない展開となりました。
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残り1分半を切って113対111とブルズが2点リードした場面。
セルティックスはジョンソンがバスケットカウントとなるレイアップを決めて(FTもヒット)、113対114と逆転します。
ブルズはジョーダンが次のオフェンスをミスし、逆にセルティックスは、エインジがシュートを打つと見せてマクヘイルにナイスアシスト。
113対116とブルズ3点ビハインドになりました。
しかし、次のオフェンスでは、オークリーがインサイドで粘ってパリッシュからファウルをもらい、FTを1本決めると(114対116)、セルティックスのオフェンスも止め、残り10秒を切ってブルズ・ボール。
すべてはジョーダンに託されました。
ここでジョーダンは3Pを選択。
これは決まらないんですが、レフェリーはブロックに跳んだマクヘイルのファウルをコール!
ジョーダンはFTを2本決めて54点目をあげ、ゲームはOTに突入しました(3Pに対するFTが3本になったのは90年代に入ってから)。
OT。残り1分40秒を切って120対119とブルズ1点リードの場面。
ジョーダンがファウルされながらジャンパーを決め(もちろんFTも入れて)、123対119と4点差にします。
しかも、ファウルしたのはジョンソンだったためファウルアウト(!)
これで勝利を掴みかけたかに見えました…が、逆にこれが仇となってしまうんです。
ジョンソンの代わりに出て来たシースティングが、コートに入ってすぐ、バスケットカウントとなるジャンパーを決めるんですね(FTはミス)
これで生き延びたセルティックスは堅守とパリッシュのFTですぐ同点に(123対123)。
コージーンがミラクルなティップインで再度リードを奪いますが、エインジにすぐ返され、試合は2OTに突入します(ジョーダン59点)。
2OTはセルティックスが先行。
残り2分を切って127対131と4点ビハインドというところから、ジョーダンが2本連続で決めてまた同点に追いつきますが、ブルズはここまで。
シースティングが事実上の決勝打となるジャンパーを決めると、パリッシュもダメ押しのジャンパーを沈めて勝負あり。
131対135でブルズは2敗目を喫しました。
ブルズはジョーダンをシースティングにつけ、ビッグ3の誰かにボールが入ったらダブルチームに行かせてたんですが、この作戦が裏目に出たかなぁ。
シースティングの8点&4アシストは価値が高いです。
ジョーダンはプレイオフ記録となる63点(22/41、FT19/21)!
セルティックスがダブルorトリプルチームで対応し始めてからは多少苦しむ場面も見受けられましたが、それでも得点に繋げる姿は圧巻でした。
24点&9リバウンドのウールリッジ、10点&14リバウンドのオークリーも内容は濃かったです。
セルティックスは、エインジの24点(すべて後半)が大きかったですかね。
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ゲーム1のあと、ジョンソンは「マイケルはもう2度とこんなゲームはできない」と言ってたらしいんですよね。
「マイケルがうちに対してやったのと同じことを、他の誰かができるとは思わない。彼は今日の試合でいちばんエキサイティングですさまじい選手だった。マイケル・ジョーダンの姿をした神だったんだと思う」 byバード
●ゲーム3@シカゴ・スタジアム
ジョーダンの超人的パフォーマンスはゲーム2まで。
ブルズは104対122で敗れ、スウィープでシーズンが終わりました。
ジョーダンはセルティックスのディフェンスに苦戦。
ジョンソンは過去2戦よりもタイトなディフェンスを見せ、隙あらばバードorマクヘイルがダブルチームを仕掛けてきました。
セルティックスはマクヘイルが絶好調で、ブルズもまたダブルチームで抑えようとしますが、特に効果なし。
ブルズと違ってダブルチームへの対処が巧いんですよね(マクヘイルもその周りも)。
2Q。ブルズは、これまで出番のなかったジャワン・オールドハムをマクヘイル対策で起用するなど工夫しますが、これも効果なし。
それどころかQ序盤にはジョーダンが3つ目のファウルを犯してしまい、Q終盤にはなんとなんと4つ目も。
ジョーダンがコートにいる間はなんとか1桁で粘っていたブルズでしたが、ベンチに下がると一気に2桁ビハインドへ。
もう後がありませんでした。
3Qには更に点差を拡げられ、4Q序盤には一時30点差へ。
ジョーダンはファウルアウトし、その少し後にはアルベックHCもテクニカル・ファウルで退場しています。
ジョーダンは19点&10リバウンド&9アシスト。FTも3本しかもらえませんでした(疲れもあったかな?)。
ウールリッジもオークリーも不発。
22点&15リバウンドをあげたコージーン、23点をあげたジョン・パクソンはよく頑張りました。
この試合のセルティックスのジョーダンに対するディフェンスは、意地が見える気がして好きです。