牛88年オフ
昨プレイオフ中、一足先にシーズンを終えていたクリッパーズが「好きな選手を5人(ドラフト指名権含む)あげるから、ジョーダンをくれないか」とトレードを打診してきました。
この話はそこそこ有名かとも思うので省きますが、このとき、ブルズ側も一応検討しているんですよね。
成立しなかったトレード話の中でもこれはけっこう好きな話です。
【ドラフト前日】
チャールズ・オークリー&翌日のドラフト1巡目指名権(11位)&3巡目指名権(69位)をニックスへ放出。
見返りにビル・カートライト&翌日のドラフト1巡目指名権(19位)&3巡目指名権(62位)
「友人であり、用心棒的な存在でもあったオークリーの放出」というこのトレードにマイケル・ジョーダンが怒ったのは有名ですよね。
これはFが弱かったニックスと、Cが弱かったブルズのトレードという構図でした。
ただ、オークリーが24歳(リーグ屈指のリバウンダー、スコアラーではないけれど2桁得点も可能)なのに対し、カートライトは30歳で、しかも故障歴有り。
カートライトは足の怪我で84~85シーズンを全休し、85~86シーズンもプレイしたのは2試合のみ。
86~87シーズンも20試合以上休んでおり、ようやくフルシーズンでプレイできたのが昨シーズンでした。
ブルズがトレードに踏み切った理由は、インサイドで点を取れる選手が欲しかったこと、ホーレス・グラントの存在といったところ。
カートライトはプロ入り以降、85~86シーズンを除いたすべてのシーズンで2桁のアベレージを残しています。
因みにオークリーには、他にもブレッツが狙っているなど、噂はあったようです。
【ドラフト】
ニックスからもらった1巡目第11位で、ウィル・パデューを指名。
バンダービルト大出身の7フッターで、サイズを活かしたプレイが武器。
ただ、(少なくともこの時点では)フィジカル面が特に強いわけではなく、スキルも微妙。
指名時にはブーイングが起こりました。
カートライトを獲ったのにまたC?と思うんですが、エクスパンション・ドラフトでマイク・ブラウンが去っていますし、カートライトの年齢や怪我が気になったんですかね。
【9月半ば過ぎ】
ジョーダンが8年間2500万ドルという新しい契約にサインしました。
ジェリー・ラインズドルフは「初めてプレイを観たときから昇給に値すると思った」としています。
因みに、自チームのFAの中ではサム・ビンセントとも再契約。
昨シーズンは、好調だったシーズン中から一転してプレイオフでパフォーマンスを落としましたが、8月頭に複数年契約を結んでいます。
【ロールプレイヤー4人ゲット】
デビッド・ウッド、エド・ニーリー、チャールズ・ディビス、アンソニー・ジョーンズと契約。
ウッドは6フィート9インチのルーキーF。
コミュニティ・カレッジで2年、ネバダ大で2年過ごしますが87年のドラフトにかからず、昨シーズンはCBAでプレイしていました。
ニーリーは6フィート7インチのF。
82~83シーズンにキングスでデビューして以降、NBAでは5年のキャリアがあります。
昨シーズンはスパーズにいました。
ディビスは81~82シーズンにブレッツでデビュー。
昨シーズンは開幕直後にバックスからスパーズにトレードされ、年末に解雇されていました。
ジョーンズは26歳のスウィングマン。
86年のドラフト1巡目指名なんですが、ルーキーシーズン中に解雇され、昨シーズンはCBAで過ごしています。