凸98年オフ
6月半ば、ブッチ・カーターが正式なHCとなりました。
ACは、カーターの(あとグレン・グランウォルドも)インディアナ大時代のチームメイトでもあるジム・トーマスだけ残留。
新たにジョー・ハリントン、ブライアン・ジェームスが加わりました。
ハリントンはこれが初のNBAコーチ。
ジェームスは過去3シーズン、ピストンズでダグ・コリンズのACを務めていました。
【6月頭】
ロイ・ロジャース&98年のドラフト1巡目指名権2つ(16位&18位)をロケッツに出して、7フッターのケビン・ウィリスを獲得。
ウィリスは36歳のベテラン7フッター。
3シーズン前にスタッツがガクッと落ちましたが、昨シーズンは平均16.1点・8.4リバウンドと復活。
衰えはあるけれど、まだ一線でやれます。
因みに、昨シーズン途中のデイモン・ストウダマイヤーにはロケッツ行きの噂もあり、ウィリスはそのとき交換要員に含まれていました。
グランウォルドは、インサイドに、タフでパワフルなベテランが欲しかったと理由を説明。
ウィリスは、ロケッツが自分を放出したことにがっかりしたようですが、ラプターズが1巡目指名の若手と1巡目指名権2つを自分のために手放したことは嬉しかった模様。
【運命を変えたドラフト】
ドラフト1巡目第4位でノースカロライナ大のアントワン・ジェイミソンを指名し、直後にウォリアーズとトレード。
同じくノースカロライナ大出身で、同ドラフト第5位指名のビンス・カーター&金銭を獲得しました☆
2人はともに95年に同大へ入学し、この夏揃ってアーリーエントリー。
2人が入学した当時は名将ディーン・スミスが指揮を執っていましたが、3年次が始まる直前にスミスが突然引退を表明。
ビル・ガスグリッジというHCに替わり、「Six Starters」というシステムの中でプレイしていました(6人をローテーションでスターターで使う)。
身体能力の高さ、並外れた跳躍力は言わずもがな、シュート力も◎。
3年次(昨シーズン)のFG成功率は6割近く、3P成功率も4割を超えています。
1年次に評価の低かったディフェンスも改善されました。
ただ、ジェイミソンがチームの得点王&リバウンド王だったのに対し、カーターは得点でチーム3位。
ドラフトの時点では、特別騒がれた選手ではありませんでした(日本の雑誌を見ていた記憶では)。
2巡目第47位ではタイソン・ウィーラーというGを指名しているんですが、この後出しちゃうので割愛。
【ドラフト翌日】
マーカス・キャンビーをニックスに放出し、チャールズ・オークリー&ショーン・マークス&金銭を獲得。
これはラプターズからアプローチしたトレード。
ニックスは、オークリーを売り歩いていたわけではありませんでした。
ベテランが多く、高齢化の進むニックスにとって、若く運動能力の高いキャンビーは魅力的だったようです。
ラプターズには「キャンビーが来オフにFAになったら引き留められないかもしれない」という懸念があったそうなんですが、個人的にはGM交代の影響もあるのではと。
オークリーはキャリア13年のベテランPF。
俗に言うブルーカラータイプのPFで、長年に渡ってニックスのインサイドを支えてきました。
下位チームへの移籍ですが、「必要なのは毎晩どんな状況であろうと戦おうとする7、8人の選手だ」「俺は自分のゲームをするだけだよ、ファイターとして、偉大なファイターとしてね」と前向きにコメントしています。
マークスは、先のドラフト2巡目第44位で指名された6フィート10インチ・250ポンドのビッグマン。
NBA史上初、ニュージーランド出身の選手で、ニュージーランドの高校卒業後に渡米し、カリフォルニア大で4年間プレイしました。
【ロックアウト終了後】
ナゲッツ、ウルブズと△トレードを敢行。
・ラプターズはチャウンシー・ビラップス&ウィーラーをナゲッツに放出。
・ナゲッツはボビー・ジャクソン&ディーン・ギャレットをウルブズ、99年のドラフト1巡目指名権をラプターズに放出。
・ウルブズはマイケル・ウィリアムス&ゼリコ・レブラチャの権利&00年のドラフト1巡目指名権をラプターズに放出。
これは2つのドラフト指名権のために行われたようなトレード。
ウィリアムスはキャリア10年のPG。
故障が多く、ここ4シーズンはほとんどまともにプレイしていませんでした。
レブラチャはセルビア出身の7フッター。
元々は94年にソニックスから指名されていたんですが、まだもうしばらくはNBAには来ません。
【FAも加えます】
マイケル・スチュアート、ネゲル・ナイト、ラマーク・ベイカー、ウィリアム・カニングハムと契約を結びました。
スチュアートはキングスにいたC。
昨シーズンはドラフト外のルーキーながらブロックショットを武器にスターターのポジションを奪取し、ルーキー・チャレンジにも出場しています。
ナイトは31歳のベテランPG。
NBAではサンズなどで5年のキャリアがありますが、ここ3シーズンはスイスなどでプレイしていませんでした。
ベイカーは29歳のルーキーPG。
92年にオハイオ州立大を卒業するもドラフトに掛からず、CBAなどでプレイしていました。
カニングハムは6フィート11インチのC。
ルーキーだった昨シーズンはジャズ&シクサーズで計7試合をプレイしました。
【お疲れ様でした】
昨オフ、交通事故で重傷を負ったシャロン・ライトが現役を引退しました。
ライトは昨シーズン7試合だけプレイしたモノのすぐに離脱しており、腕に負った怪我が相当深刻なモノだったようです。
ライトは94年ドラフト1巡目でプロ入りしており、まだキャリア4年。25歳の若さでした。