☆94~95プレイオフ:Cセミファイナル①
続いては第5シードのブルズ(45勝37敗)が相手。
シーズン中の対戦成績は、3勝1敗でマジックがリード。
マイケル・ジョーダンの復帰後は1試合だけ当たっており、そのときは4Qで逆転勝ちしています。
マジックは不動のスタメン。
一方のブルズは、Cだけ、1stラウンドからそのままルーク・ロングリーをスタートさせます。
●ゲーム1@オーランド・アリーナ
フィル・ジャクソンHCは、ロングリー&ウィル・パデュー&ビル・ウェニントンというC3人を交代でシャックにぶつけてきます。
ロングリーがファウルトラブルになっても、すぐパデューが出てきて、更にウェニントンも出てくる…
この作戦はなかなか有効で、シャックは気持ちよくプレイさせてもらえません。
ペニーはBJ・アームストロングとのミスマッチを攻められるかと思われましたが、ホーレス・グラントとマッチアップするスコッティ・ピッペンがいいタイミングでヘルプに来るので、ここも攻め切れません。
ゲームは競った展開で、1Q終わって22対19とマジックが3点リード、前半終わっても43対43の同点でした。
シャック&ペニーが思うようにプレイ出来ない一方で、ブルズはジョーダン&ピッペンのシュートが不調。
両チームともにロールプレイヤーがゲームをつなぎ、69対65のマジック4点リードで最終4Qに突入します。
最終Q。マジックはニック・アンダーソンの活躍で点差を8点まで拡げますが、ブルズもすぐに反撃。
特にウェニントンに予想外の活躍をゆるし、ゲームは最後まで解らない展開となりました。
~残り1分半を切って、88対86とマジック2点リードの場面~
マジックのシュートミスからブルズが速攻。
グラントは突っ込んできたジョーダンにファウルをしますが、ジョーダンはそれでもレイアップをねじ込んで3点プレイ(!)
マジックは88対89と逆転されてしまいます。
マジックは次のオフェンスでシャックがFTを2本決め、90対89と再逆転に成功しますが、直後にピッペンにアリウープをゆるし、90対91と再び1点ビハインド。
次のオフェンスもミスし、残り20秒を切ってマジック1点ビハインド&ブルズ・ボールという絶望的状況でした。
そしてタイムアウト明けのディフェンス。
残り時間が24秒以下なので、マジックはすぐにファールしなければなりません…
が、ジョーダンにフルコートでついたアンダーソンはタイトに当たるだけでファウルをしません。
時間はなくなります。
ここで予想だにしないことが起こりました。
アンダーソンがジョーダンからスティール!
こぼれたボールをペニーが拾って速攻!ペニーのアシストからグラントが豪快なダンクを決めて、マジックが92対91と逆転に成功しました。
そして、更に信じられなかったのがこの次のプレイ。
時間は残っており、マジックのリードは1点。ここを守らなければマジックは再び危うくなります。
ブルズはもちろんジョーダンできます。
ジョーダンはトップからジャンパーを打つ…と見せてコーナーから走り込んだピッペンにパス。
しかし、ピッペンは(もしかしたらコート上の誰もが)ジョーダンがシュートにいくと踏んでリバウンドに向かっており、ボールは誰もいないところへ行き、まさかのTO。
マジックは最後にFTを2本決め、94対91で何とも言えない1勝目を飾ったのでした。
マジックはラッキー。
第1シードvs第5シードらしい戦いではなく、勝ちはしたけれど、ある意味ジョーダンがすべて持っていきました
シャックはすっきりしない26点&12リバウンド。
ペニーもTOが多く、ピリッとしませんでした。
ブルズの作戦が概ね機能していた中、20点あげて最後のスティールも決めたアンダーソンがこの試合のMVPでしょうか。
ブルズは、ジョーダンが19点(8/22)&8TO。
ピッペンは11本打って2本しか決まらず、このシーズン最低の7点に終わりました(10リバウンド&7アシスト&3ブロックはさすがと思いますが)。
トニー・クーコッチは17点をマーク。
ウェニントン14点、スティーブ・カー11点…とベンチもよかったです。
●ゲーム2@オーランド・アリーナ
ゲーム1が終わった後、アンダーソンがジョーダンついてこんなコメント。
“45番は23番とは違う。もう以前のジョーダンではない”的なことを言ってのけました。
ネガティブなことをモチベーションに変えてエネルギーにするのがジョーダン流。
アンダーソンの一言はジョーダンに火をつけました。
この試合、ジョーダンは23番を着て登場(!)
これはマジックの選手はもちろん、ジャクソンも、ピッペンも誰も知らなかったことでした。
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23番に戻ったジョーダンはシュート好調。
マジックは2Q終了間際にジョーダン&ピッペンに連続得点をゆるし、48対49と1点ビハインドで前半終了。
後半が始まってもジョーダンの勢いは止まらず、ダンクにスティールにリバウンドからのフォローショット☆
アンダーソンのポストプレイはジョーダンに対してなかなか有効で、しばしばファウルを誘っていましたが、マジックはシャックがファウルトラブル。
3Q半ばには4つめのファウルを犯してしまい、ビハインドは71対80と9点差に拡がっていました。
4Q。マジックは頭からシャックを使いますが、あっさり5つ目を犯してしまう失態。
ディフェンスも機能せず、クーコッチ&ジャド・ブシュラーにやられてしまいます。
こうなると、マジックにこの日のブルズを止める手だてはありませんでした。
最終スコアは94対104。
シリーズは1勝1敗のタイです。
シャックは25点&12リバウンドをあげましたが、またしても内容は今ひとつ。
20点&7アシストをあげたペニーも、数字ほどのインパクトはありませんでした。
グラントが23点&15リバウンドをマークしていますが、ブルズが、グラントにはやられてもいいようなディフェンスをしていたので効果は薄めだったかな。
ブルズはジョーダンが38点&4スティール&4ブロック、ピッペンは22点。
ロングリー、BJは奮いませんでしたが、パデューやカーが貢献しています。
因みに、ジョーダンが背番号を23番に戻した件は、多少顰蹙を買いました。
NBAでは背番号を変えるにはNBAに申請せねばならず、申請が許可された場合でもシーズン途中の変更は不可(移籍した場合は別)。
シーズン中に選手個人の意志で変えることは出来ません。
NBAは「背番号を元に戻さないと1試合につき…」の罰金を課しましたが、ジョーダンはこれを無視。
23番でプレイし続けました。
シーズン序盤、シャックも背番号を32から33に変えようとしたんですが、それはシーズン中だったために認められず。
(33はカレッジ時代の番号。シャック入団当時はテリー・キャトリッジが33を着用していました)
このため、ジョーダンの背番号騒動に関しては、リーグだけでなくマジックの関係者も微妙な感じだったようです。