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Channel: NBAヒストリー(ひばち)
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Dallas Mavericks 81年オフ

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M81年オフ

 

80年代前半のマブスはドラフトが上手いんです。

もちろん上手くいかなかった指名もありますが、まずこの年は総じて◎です。

 

【ドラフト上手】

 

・1巡目第1位でマーク・アグワイア、第9位でローランド・ブラックマンを指名。

 

アグワイアは6フィート6インチのSF。

デポール大出身のスコアラーで、どんなスタイルでも、コートのどこからでも、得点を稼げます。

アウトサイドシュートからポストアップ、ダンクもOKです。

 

カレッジ時代は1年次に平均24.0点・7.6リバウンドをマークし、チームはファイナル4に進出。

2年次には得点アベレージをアップさせ、チームも好調。

アグワイアは複数のカレッジ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

 

ただ、NCAAトーナメントでは1stラウンドでUCLAに敗退。

この時点でアーリーエントリーの噂もあったようですが、自身の評価がそこまで高くないと知って断念(トップ20のうちのひとりといった感じ)。

その夏は、モスクワ・オリンピックの代表チームにも参加しました。

 

アメリカが同大会をボイコットしたことにより、オリンピックでのプレイは出来ませんが、ここでウェイトを落とすことに成功。

その成果からか、3年次はプレイの質が向上します。

 

得点アベレージこそ落ちましたが、FG成功率は6割近くまで上がり、リバウンドやアシストが増え、ディフェンスもよくなりました(ブロックも増加)。

しかし、チームはまたしてもNCAAトーナメントの1stラウンドで、今度はセントジョセフ大に負けています。

 

いちばんの懸念は、態度に難があるという評判。

他でもないデポール大のレイ・マイヤーHCが、”一緒に仕事をするのが難しい、プリマドンナ的傾向がある、自分勝手で甘やかされたいタイプだ”とNBA関係者に話していたんですね。

 

能力が高いが故、好き勝手にプレイできてしまうのが問題というニュアンスのようですが、同大のACを務めるジョーイ・メイヤー(レイの息子)は、そうなったのは父が最初にちゃんと指導しなかったからだとしています。

 

ブルズのロッド・ソーンGMは「彼は悪い男ではない」とした上で、「ただ、コート上ではとても感情的なんだ。シカゴの記者の半分はアンチで、半分は支持している。ファンも同じだ。我々の一般的な感覚では、今ドラフトで最高のオフェンシブ・プレイヤーだけど彼を獲得する必要はないと思っている」とコメント。

 

結果的に、マブスのフロントは”過去は過去”としてアグワイアを指名しますが、アグワイア自身はこうした評価に困惑していたようです。

 

因みに、食べることが好きなことから「マフィン・マン」と呼ばれたなど、コンディションもやや心配。

身長も、”6フィート7インチと公表しているが、実際はかろうじて6フィート5インチあるといったところ”とも言われました(現在確認できる公式記録では6フィート6インチ)。

 

格下相手でパフォーマンスが落ちるという批判は、二度の1stラウンド敗退(どちらもアップセット)が響いているでしょうか。

 

この年のドラフトにはアイザイア・トーマスもおり、フロントはもちろん検討したようですが、アグワイアへ。

マブスとしてはPGにブラッド・ディビスがいますし、トーマスもマブス行きが嫌だったので、可能性は低かったかと思います。

トーマスは指名されたくないがため、ダラスに来た際、インタビューでワザと印象が悪くなるような振る舞いをしたんだとか。

 

ブラックマンはカンザス州立大出身のSG(6フィート6インチ)。

NBA史上初のパナマ生まれの選手です(育ちはブルックリン)。

 

ムラはありますが、シュートが上手な選手。

ドライブはあまり見せません。

ディフェンスの評価も高く、カンファレンスのディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを三度受賞しています。

アグワイア同様、モスクワ・オリンピックの代表メンバーに選ばれていました。

 

昨シーズン途中、キキ・ヴァンダウェイとのトレードでもらった1巡目指名権のひとつがブラックマンになりました。

 

【ドラフト2巡目】

 

・2巡目第24位でジェイ・ビンセント、第43位でエルストン・ターナーを指名。

 

ビンセントはミシガン州立大出身のF(6フィート7インチ・220ポンド)。

最初の2年はマジック・ジョンソンとチームメイトで、マジックのプロ入り後にスタッツをアップさせました。

 

見た目とプレイスタイルはアンダーサイズのPFですが、SFもできなくはありません。

4年次にはチーム事情からCとしても起用されていました。

 

ターナーはミシシッピ大出身のスウィングマン。

同大は81年にNCAAトーナメントに初出場しているんですが(4年次)、そのときの中心選手でした。

 

【補強】

 

ビル・ロビンジンをジャズに出して、ウェイン・クーパー&アラン・ブリストウを獲得。

カート・ニンフィアスと契約。

 

ジャズとのトレードは、Cのバックアップが欲しかった模様。

ロビンジンは昨シーズンよかったんですが、サイズ的にCはちょっと無理です。

 

クーパーはキャリア3年のC(6フィート10インチ)。

ウォリアーズに在籍していた2年目に、平均11.0点・6.4リバウンドをマークしています。

 

ブリストウはキャリア8年のSF。

ここ5シーズンのうち4シーズンで全82試合に出場している、丈夫なベテランです。

 

ニンフィアスもまた6フィート10インチのビッグマン。

昨年のドラフト3巡目でナゲッツに指名されたんですが、残れず、昨シーズンはイタリアとCBAでプレイしていました。

アリゾナ州立大出身です。

 

因みに契約が切れたクレアレンス・キー、マーティー・バーンズ、アービッド・クラマーは引き留めず(クラマーは昨シーズンプレイせず)。

チャド・キンチ、スタン・ピートカヴィッツ、アブドゥル・ジーラニは解雇となりました。

 

ジーラニは”イタリアでプレイしたい”という理由で、自ら解雇を望んだようです(実際に85年までプレイします)。


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