鹿96年オフ①
昨シーズン終了から5日後、オーナーのハーブ・コールがマイク・ダンリービーHCを解任すると発表しました。
【さすがにね】
ダンリービーが指揮を執った4シーズンは、3シーズンが30勝以下で、それぞれフランチャイズ史上ワースト1位、2位、4位という体たらく。
就任以降に勝ち越した月は一度しかなく、昨シーズンはチーム記録の15連敗…
いくら再建中とはいえ、酷すぎたでしょうか。
ただ、92年に結んだ8年契約はまだ4年残っており、エグゼクティブとしては残留。
「この動きは理解している。この仕事を進めていくつもりだし、4年前に掲げた”優勝争いをするチームになる”という目標のため、プロとしてできるすべてのことをするつもりだ」とコメントしています。
後任候補として、ユタ大でHCを務めるリック・マジェラスの名前が出ますが、これはコールが否定。
マジェラスはマーケット大出身で、コーチ業のスタートもマーケット大。80年代に1シーズンだけバックスのACも務めるなど、地元の縁はあります。
【6月半ば】
新HCはクリス・フォードとなりました。
90~91シーズンからセルティックスで5シーズンHCを務め、通算成績は222勝188敗。
チームは苦しい時期でしたが、4度プレイオフに進んでいます。
これはコールの判断だったようで3年契約。
解任直後のダンリービーの下で働くことについては、「マイクとはいい関係だと思う。選手としてもコーチとしても互いに競い合った仲だし、ここ数週間の間に何度か話もした。素晴らしい協力関係になると思うよ」としています。
ACはジム・トッド、マイク・ウッドソン、ディック・ヴァーセイスの3人。
トッド&ウッドソンは、これがNBAで初めてのコーチ業。
ウッドソンは80~81シーズンから11シーズン、SGとしてプレイしました。
ヴァーセイスは56歳のベテラン。
NBAのコーチとしては86年からピストンズでチャック・デイリーのACを務め、88~89シーズン途中にペイサーズのHCに就任。
90~91シーズン序盤に解任された後はTNTのスポーツキャスターなどを務めています。
【ドラフト直前】
グレン・ロビンソンが右アキレス腱の怪我でドリーム・チームⅢの参加を辞退。
代わりにソニックスのゲーリー・ペイトンが選出されました。
ロビンソンの怪我は、プレイできないほどではなかったようですが、悪化させてシーズン全休になることを懸念。
「次のドリーム・チームに選ばれるよう、努力を続け、ハードにプレイすることが試されるだろう」とロビンソンは前向きにコメントしました。
ロビンソンはプロ入り以来1試合しか欠場していませんが、チームのトレーナー曰く、ルーキーシーズンから右足の腱炎を患っており、時折痛みが出ていたとのこと。
代理人曰くでは、しばらく悪化していたようで(トレーニングのしすぎだとか)、休んで様子を見るのがベストだという判断に至ったようです。
ドリーム・チームのHCを務めるレニー・ウィルケンスは、「彼のような若い選手にとってはとてつもないチャンスだっただろうから、残念に思う」
「オリンピックを欠場することが彼にとってどんなに残念なことか、私はわかるよ」
【ドラフト】
①1巡目第4位で指名したステファン・マーベリーをウルブズに放出し、ウルブズが5位で指名したレイ・アレン&98年のドラフト1巡目指名権を獲得。
②2巡目第33位でムーチー・ノリス、第35位でジェフ・ノードガードを指名。
①は、ウルブズがマーベリーにご執心だったことを知ったバックスが、それを利用した取引。
ただ、ドラフト時のマーベリーは純粋なPGとして評価が高く、両選手が指名された段階でブラッドリー・センターのファンは ”No Trade!” の大合唱。
ダンリービーとフォードがトレードを発表したときには大ブーイングが起こりました。
そのアレンはコネティカット大出身のSG(6フィート5インチ)。
クイックリリースのアウトサイドシュートはカレッジ時代から定評がありましたが、運動能力が高く、スラッシャーとしても魅力があります。
改善点はディフェンス。
足がよく動き、スピードもあるんですが、体がやや小さいためかポストアップされると脆さが出ます。