☆94~95シーズン①
デニス・スコットが背中を傷めて開幕に間に合わず、スタメンはこの5人。
ペニー
ニック・アンダーソン
ドナルド・ロイヤル
ホーレス・グラント
シャック
開幕戦は格下ブレッツに負けてしまいますが、11月半ばから9連勝するなど、16勝4敗の開幕ダッシュに成功。
2月に入るまで一度も連敗せず、更にホームでも負けなしでした。
2月頭に初の連敗、ホーム初黒星を喫しますが(相手はソニックス)、オールスターブレイクの時点で37勝10敗はカンファレンス首位、リーグ2位の好成績です。
ペースが落ちたのが3月半ばから。
3月14日、ホームでのジャズ戦を落とすと、そこから3連敗(シーズン初)。
直後に4連勝して取り戻しますが、その後は勝ったり負けたりの5割ペース。
ラスト20試合は9勝11敗と負け越してしまいました。
このシーズン終盤の不振は内容がかなり悪く、なによりも問題だったのはロードで勝てなかったこと。
ロードだとピストンズ、ブレッツ、ネッツ、シクサーズにも負けており(このシーズンの弱小チーム)、オールスターブレイク以降のロード18試合は4勝14敗とぼろぼろでした。
最終成績はカンファレンス1位、リーグ3位の57勝25敗。
素晴らしい成績なんですが、ホーム39勝2敗に対してロード18勝23敗という内弁慶はちょっと心配です。
オフェンスに関しては、平均得点がリーグ1位、アシストもリーグ1位、FG成功率50.2%はリーグ2位とFT成功率以外はほぼ文句なし。
シャックにボールを入れて、シャックがダブル/トリプルチームで囲まれたら、外にいるアンダーソンやスコットにパスアウト、もしくはペニーの1対1というシンプルなオフェンスは強力でした。
ディフェンスは、数字で見る限りでは、項目によって中の上~中の下といったところでしょうか。
【シャック&ペニー】
シャックは、79試合で平均29.3点(1位)・11.4リバウンド(3位)・2.7アシスト・2.4ブロック(6位)・FG成功率58.3%(2位)・FT成功率53.3%。
昨シーズン逃した得点王に輝き、FG成功数&試投数もリーグ1位。FT試投数もリーグ1位でした(成功数は4位)。
オールスターには3年連続ファン投票で選出され、この年は22点の活躍。
オールNBA2ndチームにも選ばれています。
オールスタークラスのCが相手でも引けを取らなくなり、例えばニックス戦ではパトリック・ユーイング相手に41点を2回もマーク。
また、アロンゾ・モーニングのいるホーネッツ戦では46点&20リバウンドをあげたこともありました。
課題は、改善される様子のないFT(3月中旬~シーズン終了までの成功率は39.0%)。
このシーズン、シューティング・コーチとしてバズ・ブレイマンが就いたんですが、逆に成功率は落ちています。
一方、ペニーは77試合で平均20.9点・4.4リバウンド・7.2アシスト・1.7スティール。
FG成功率は51.2%と高く、3Pも改善されました(成功率34.9%・87/249)。
TOは減ったけれどもまだ多いです(アシストは増えた)。
PGなんですが、一流のスコアリングGのような1対1の上手さと得点力があり、そして華がありました(これは私見)。
オールスターにはファン投票で選出され、オールNBA1stチーム入り。
11月末のバックス戦では、35点&10リバウンド&12アシストとキャリア2度目のトリプルダブルをマーク。
因みに、ペニーはキャリアで通算5回しかトリプルダブルを達成しておらず、マジックではこれが最後です。
【スタメンあと3人】
アンダーソンは76試合に出場し、昨シーズンと同じ平均15.8点。
開幕から最初の1ヶ月ほどは好調で、平均20点オーバー。
その後、アベレージは落ちましたが(手首の怪我もありました)、シーズン通して179本(リーグ8位)の3Pを41.5%の確率で決めており、オールスター・ウィークエンドには3Pコンテストにも出場しました(1stラウンド敗退)。
ロイヤルは70試合中68試合でスタートして、平均9.1点・4.0リバウンド。
スタッツ的には自己ベストのシーズンでした。
ロイヤルが欠場した際、スコットがスターターとして良いプレイを見せますが、復帰後はまたスターターに。
ヒルHCのポリシーが、”スターターは怪我が原因ではその座を失わない”らしいんですが、それだけDなどの役割を評価されていたのかなとも想像します。
シーズン中に2年の延長契約も勝ち取っています。
グラントは74試合で平均12.8点・9.7リバウンド・1.0スティール・1.2ブロック。
得点とリバウンドは昨シーズンからダウンしていますが、その代わりにFG成功率56.7%はリーグ3位。
オール・ディフェンシブ2ndチームにも3年連続で選出されました。
リバウンドやディフェンスに加え、ジャンプショットを確実に決められるのもグラントの強み。
シャックやアンダーソンのリバウンドが減ったのも、グラントが加わったからかもしれません。
シャックがのちに”今まで一緒にプレイした中で最高のPF”としているのも、頷けます。